50代、60代のための服は必要だけれど、70代以上の感覚の服は要らない!

素敵な高齢者の服がない!

高齢の母の世話をして思います。なぜこんなにシニアの女性の服は老け過ぎだらけなんだろう?と思うのです。

私の母はセンスもいいしこだわり派です。ですが65歳からは服はほとんど買っていないと言いますが外出にも困らない程度に揃っています。

 

田舎暮らしの母はセンスはいいのですが、選べるお店が少ないので、すごくいいと思えるものもあるのですが、半分はジミ過ぎます。90過ぎた今は昔は絶対着なかった可愛い物の方が似合うようにもなりました。

柔らかい色やわらかい明るい柄が似合うようになったのです。いままではスッキリしたシンプルな寒色系が好きでしたが、優しい色の方がきれいに見えるのです。

ラベンダーとか、白に近いグレー系や白に近いベージュ系にやわらかい柄があるのとか、白っぽけれど白では浮き過ぎる程度にクールなパステルがきれいに見えます。

 

姿勢はよかったのですが90歳になったころから少し猫背になりました。それで思うのですが、既成服の70歳後半から90歳の人の服はたいてい企画が間違っていると思います。

あまりにもおばあさんなのです。なぜ、見た目以上におばあさんの感じの服を作るのでしょう?

 

服は年齢により合わせるのは色柄よりも形に工夫が必要。

例えば、やせたおばあさんでも若い人用のチビTシャツは着にくいし似合いません。すると、パターンには高齢者ならではの工夫が要ります。柄も違います。しかしジミ過ぎやおばあさん柄も必要ありません。

やわらかいスモーキーパステルはきれいだと思います。若い人みたいなコミック柄も違います。また、黒も皮膚がくすんでシミもシワもある肌には似合いません。でも藍はきれいに見えます。

 

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こんなふうに根本的に実際の市場にある既成品は大外れです。わたしは今は仕事をやめましたが、素敵なおばあさんのための企画をしたら売れるものができる自信があります。色柄が特にはずれていると思います。

 

素材も高齢者は肌ざわりがよく、軽いものが好きです。アイテムにより自然素材がいい物もあるし、そうでないものもあります。

いつかそういうお仕事をフリーの立場でお手伝いできたらいいなと思います。高齢者も新しい洋服をほしいという欲求はあります。

今はきびしいアパレル業界ですが、研究すればまだまだ穴場はあると消費者の立場だけになった今は思います。

 

ずっと現役で都会で暮らしていたら気付かなかったかも知れません。高齢者と身近に接する機会もなかったし、見えていませんでした。

しかも会社は若い人のための服を作りたがりますし。ビジネスなのですからニーズのあるところにもっと目を向けるべきでは?と思います。

 

 60代が素敵に見える感性の服は80歳でも似合う

今は60代の人が素敵に見える服が穴場だと思います。そしてそれは80歳になっている人も似合うと思います。注意が必要なのはパターンの工夫です。

60代<70代<80代<90代と地味に進む必要はないのです。必要なのはパターンの工夫です。そして色の工夫、柄の工夫です。

 

市場で見る色柄は大外れです。だんだん年寄りに見える服が必要なのではありません。若過ぎる服が必要なのでもありません。

大人が似合う品と自由さがあれば、着た人に寄り添うのです。服が人に寄り添うのです。だから80歳には80歳の服が必要なのではありません。

 

そうすれば、実際の年よりも老けるだけなのです。服が何もかも主張するのではなく、邪魔しない自由があれば着た人の個性が出るのです。

大人が着やすいおおらかな感性、おとなのノンエイジ感覚の服があればいいと思います。その点、日本の着物は素敵です。

形はほぼ同じ、色も同じでも柄が少し違う程度でも帯などでその人にふさわしい着方ができます。絣や大島などは日常着として素敵です。

 

洋服もほぼ同じような色柄なのに、少しだけのパターンの違いや柄の大きさの違い、ディテールの違いで若い人、30から50歳くらい、60歳から体系が変わるまで、完全におばあさんになって少し姿勢が前かがみになり痩せた時から、などに合わせた企画の服があったらいいと思います。

 

姿勢がよくて体重が変わらなければ、60歳から80代まで同じような色、パターンで似合います。パンツ、ブラウス、ワンピースなどで定番が確立されてもいいのになあ、と思うのです。

そいう服をこれから探していきたいと思います。高齢者がきれいに見える、おしゃれな服はニーズがあります。作る側はニーズに応えられていません。